活動レポート

沼津の地域活性課題を、手書き地図とタブレットで解決する試み

2014年06月05日

この町を訪れた人に、タブレットを配布する。そこには、テーマ別に手書きされた地図と街の魅力を伝える映像コンテンツが収録されている。初めて沼津を訪れた人が、このコンテンツによってどのように影響を受けて、どのような行動をするのか? 一般的なガイドブックとは異なる情報ツールを用いた調査プロジェクト、スタートです。

▼手書き地図×タブレット! アナログとデジタルのコンビツール

以前、手書き地図プロジェクトの取材で訪れた「Lot.n(ロットン)」で聞いた、ちょっと気になる話。それは、駿河湾と沼津港という強力な観光資源による知名度の高さと賑わいに隠れ、駅と港の「間」にある商店街は観光客にスルーされてしまう、という事実。実際、電車で訪れる観光客の多くは、JR沼津駅前からバスに乗って港に直行する。新鮮な魚介類に沼津港深海水族館など丸一日かけて楽しんだ後は、またバスに乗って沼津駅へ直接戻ってしまう。いわゆる「地域活性」に関する課題が顕在化して久しいのだ。

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この状況に、手書き地図というアナログ情報ツールと、ショートムービーといったデジタル映像とを組み合わせ、それをタブレットひとつに凝縮。現代社会に最適化されたデジアナ・ガイドを片手に、一般的なガイドブックとは異なる方法で町を味わってもらったらどうだろう?

こうした始まった「手書き地図とタブレットを活用した街歩きに関するフィジビリティスタディ」と題した調査は、毎年5月に行われている「沼津水産祭」に合わせて実施。当地を初めて訪れるという10名の男女には、終日沼津を楽しみながら調査に協力してもらった。

沼津港だけじゃない! マチの魅力を知ってもらうために 

駅と港の「間」に人が来ないという課題を、どのように解決するか。

そもそもその「間」にある商店街に“魅力”がなければ本質的な解決にはならないわけだが、実際に沼津に通ってみると、商店街に点在するお店めぐりは実に楽しい。昔からあるソウルフード、地元の人が並んで通うランチ、古民家や蔵を改装した洒落たカフェなど、挙げればきりがない。加えて、地ビールの種類の豊富さと美味しさには目を見張るものがあり、お酒好きならぜひ味わいたい逸品ばかり。

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アクティビティも豊富で、Lot.nが提唱する“マチナカアウトドア”として注目されている狩野川カヤックや、山好きには知名度の高い沼津アルプス登山など、レジャーを楽しめる場所にも事欠かない。しかも市内のあちこちから富士山が眺められるという、都市文化と自然との調和が見事な町、それが沼津だ。駅と港をピストン往復するだけではもったいないのである。

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▼充実の「はじめての沼津」 この体験を実用化するに

 

今回の調査は「フィジビリティスタディ」と位置付けており、手書き地図とタブレットの組み合わせの実現可能性を検討するためのものだ。手書き地図は、地元を愛する大学生が作ったマニアックなもので、シュートムービーには商店街や沼津各地で実際に店頭に立つ人が登場し、中には“カミカミ”の人も。この手作り感が「背伸びせず、人柄が出ていて良い」と、参加者には大好評だった。

→地元を愛する大学生が作った手書き地図

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→地元の人による地元紹介ショートムービー1

→地元の人による地元紹介ショートムービー2

参加者10名は5つのチームに分かれ、課題状況を再現するために「最初に沼津港に行き、その後の行動は自由」という条件とした。調査後の報告会では「その後の自由行動」をどのように過ごしたかについて座談会形式で発表してもらい、タブレットをガイド役として、それぞれが充実の「初沼津」を体験できたことを手応えとして感じることができた。

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この調査内容を踏まえ、今後は沼津市観光交流課とLot.nと協業のもとで「まちづくり」として深めていく予定だ。また、こうした地域活性に関する課題を抱える方々に今回の活動を共有すべく、2014年6月に開催される「デジタルサイネージ・ジャパン」で発表する予定。6/12(木)15:00に幕張メッセにお越しの方は、ぜひ会場にてお声掛けください。「手書き地図」の可能性について、意見交換などしましょう!

DSJ2014(デジタルサイネージ ジャパン)

沼津における観光エリアと地域商店街をつなぐスクリーン連携

取材・文・写真 大内 征(手書き地図推進委員会 研究員)

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大内 征

レポート:大内 征

投稿日:2014年06月05日

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