活動レポート
手書き地図アワード2025結果発表
2026年03月09日

第4回となる「手書き地図アワード2025」は、3月6日(金)にオンラインプレゼンテーション(2次審査)を実施しました。今年は、私たちが出張授業でお邪魔した学校に対象を絞り手書き地図アワードを開催させていただきました。オンラインプレゼンテーションには計8作品が参加し、そのうち1校はビデオによるプレゼンテーション形式での発表となりました。小学生ならではの工夫を凝らした発表は年々レベルが高まっており、私たちも思わず手を叩きながら、そのプレゼンテーションを楽しませていただきました。また昨年和歌山のワークショップに参加してくれた弘前大学の佐藤さんも手書き地図をテーマにした研究発表成果と自分で作成した手書き地図を披露してれました。(佐藤さん感謝!!)
各賞については、これまでと同様に手書き地図憲章の「MAPS」に基づき、Maniac賞、Area賞、Process賞、Story賞の各賞に加え、大賞を選定させていただきました。
Maniac賞
前橋市立原小学校3年「ワーゲン思い出マップ」

【審査員評】
今回の応募作品の中で、ダントツに自分の好きなものへの真っ直ぐな熱意があふれる手書き地図でした。さらにお父さんの経営する中古車販売店がフォルクスワーゲンの専門店という背景があるのも強い。特に「空冷ワーゲン」が好きなのが伝わってきます。他のお店にもインタビューしてワーゲンの思い出を聞き出して編集しているのもスゴイ! 手書き地図の大切な要素の一つである「あなたの偏愛するモノ・コト」を体現している作品です。
Maniac賞
前橋市立原小学校3年「二人の思い出マップ」

【審査員評】
この地図を作った「ふたりの世界」を濃く描いた「マニアック」な作品でした。ふたりの会話形式で進む手書き地図は、読みながら自分もその世界の仲間に入れてもらったようであり、短い映画を見ているようでもありました。ふたりのこの歳・この時代のキラキラした日々を見せてもらって、大人たちは昔の思い出を子ども達は今のキラキラが心に再生されたと思ういます。何年も経って、見返した時、色鮮やかにその当時のことが蘇る地図だと感じました。
Area賞
前橋市立桃瀬小学校3年「ゆうじょうふかまりマップ」

【審査員評】
小学生の頃によく遊んだ公園。たしかに、それぞれの公園はおともだちと遊び「友情が深まる」場所であることを思い出しました。さらに、キャラクターや吹き出し、色づかいなどを使って、見る人が楽しく読める工夫が随所に見られます。友だちと遊ぶ様子や遊びのアイデアが表現されており、「友情」というテーマがしっかりと伝わる作品でした。そういえば、この中にメンバーが隠れているらしく見つからないよ〜!!
Area賞
前橋市立原小学校3年「たくさん思い出マップ」

【審査員評】
「田んぼに消えたくつした」「たんぽぽをくわえたスズメとの出会い」「かかしまつりのエピソード」など、作者の体験や思い出が、オリジナルのキャラクターとともに丁寧に描かれたとても印象的な作品でした。地図というよりも、まるでこのまちで過ごした時間そのものを物語としてまとめた“思い出のマップ”になっています。一般的な地図で重視される道路や標識、ランドマークよりも、この作品には「そこで何を感じたか」「どんな出来事があったのか」といった記憶が中心に描かれています。作者にとってこの街は、道や建物ではなく、楽しかった体験や心に残った出来事によって形づくられているのかもしれません。見る人も一緒にその思い出をたどりながら、この街を歩いてみたくなる、温かさのある手書き地図でした。
Process賞
横浜市立戸部小学校6年「GOD in TOBE MAP」

【審査員評】
途中過程も何度か見せてもらった上での最後の完成した地図、とても素晴らしかったです。 手書き地図を作るために取材をしたり話を聞いたりする過程で、みなさんが地域の人をより深く知り、地域の人にもみなさんを良く知ってもらう。お互いに素敵な関係を育てるプロセスを作り出せているなと感じました。プレゼンテーションで「推し」の神(町の人)についてそれぞれが話していたのも、とてもとても良かった。みんなが町を知って町を好きになったように、町の人もみんなのことをきっと好きになったと思います。
Story賞
前橋市立桃瀬小学校3年「あつまれ!ぜっけいもものせマップ」

【審査員評】
絶景をテーマとする手書き地図は数多くありますが、ここまで自分たちの目から見た絶景の瞬間、つまり「シーン」を表現している作品はなかなかありません。「音楽の時間ににじを歌っていたら、山の上に虹が出ていた」なんて映画になりそうな物語です。他のエピソードもそれぞれ映像が浮かんできます。プレゼンテーションにも感情がこもっていたり、言葉の選び方も素晴らしく、聞き手を楽しませてくれました。プレゼンを含めて、素敵なストーリーとして完成していました。
手書き地図アワード2025大賞
前橋市立桃瀬小学校3年「子どもにしかわからないふしぎマップ」

【審査員評】
「子どもにしかわからないふしぎマップ」という着眼点が素晴らしい。この視点によって、大人は子どもだった頃の気持ちに戻って地図を読み、シーンを具体的に想像できる体験が生まれています。「はだかのおじさん」「はたけのねこ」「自分だけしかしらない帰り道」「おとなはしない石さがし」など、3年生の今の視点で集められた地域の不思議が、読み手に伝わるストーリーとして見事に表現されています。手書き地図アワード2025の大賞に最もふさわしい作品です!
【総評】
小学校で手書き地図の出張授業を始めてから、今年で10年目になりました。
最初に授業をしたのは2016年。あのとき6年生だった子どもたちは、もう大学生や社会人になっている頃かもしれません。そう考えると、時間の流れの早さに少し驚きます。
実は「手書き地図アワード」は、委員会メンバーも毎年少し悩みながら続けています。本当に子どもたちに伝わる授業になっているのだろうか。果たして役に立っているのだろうか。続ける価値あるのかな?そんなことを考えながら進めているのが正直なところです。それでも、こうしてアワードの作品を見ていると、「やっぱりやってよかったな!」と思えるのです。
毎年作品を見て感じるのは、手書き地図は「その人の見ている世界」がそのまま表れるものだということです。子どもにしかわからない町のふしぎ、好きなものへの内角高めのまっすぐな気持ち、そして日常の中で出会った忘れられない瞬間。道路や建物を正確に書くことよりも、その人にとって大切な出来事や記憶が、地図の中に浮かび上がってきます。今年もそんな物語が、たくさんの作品の中に書かれていました。
今回の大賞となった「子どもにしかわからないふしぎマップ」は、まさにそれを象徴するような作品でした。子どもの視点だからこそ見える町の不思議が詰まっていて、読む人を一瞬で子どもの頃の気持ちに戻してくれます。
参加してくれた子どもたち、授業や制作をサポートしてくださった先生方、そして関係者のみなさま、本当にありがとうございました。
子どもたちが書いた手書き地図は、その人にとっての「まちの記憶」になります。いつか大人になったとき、「そういえばこんな地図を書いたな」と思い出してもらえたら、こんなに嬉しいことはありません。
そしてもし将来、「手書き地図ってなんだろう?」と思ったら、ぜひまた私たちのところに遊びに来てください。
手書き地図推進委員会は、これからもゆっくりですが活動を続けていきます。待ってるぜ!!
※各賞および大賞を受賞したチームには、賞状をお送りさせていただきます。ぜひお楽しみに♪












