活動レポート

地図好きエンタメトークイベントに潜入!

2014年09月02日

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子供達が夏休みの宿題の最終追い込みを掛けている8月31日。東京お台場にあるTOKYO culture cultureで行われた、「地図ナイト9〜手書き地図の夕べ〜」にゲスト参加させていただきました!

地図ナイトとは、地図地理地形好き大集合の超人気地図地理地形エンタメトークイベントで第9回目は、手書き地図をテーマに熱く語るという趣旨。手書き地図推進委員会としては、各地で集めた手書き地図とそのノウハウをいつご披露するの?「今でしょ!」と多少色あせたリアクションをひっそりと胸に研究員の赤津がイベントにお邪魔しましたのでイベントの様子をレポートします。

 

▼手書き地図ど真ん中の人たちと一緒に初めてのイベント出演

イベントは3部構成で、

1:ゲストからの簡単な手書き地図な活動をプレゼンテーション
2:絵地図師 高橋美江さんと近藤さんのトークセッション
3:ゲストをパネルとした座談会の3部構成

手書き地図推進委員会からは、設立の経緯や活動の内容(フィールドワーク、取材活動、手書き地図収集から、ワークションまで)を盛りだくさんお話させていただきまして若干持ち時間をオーバーしてしまったことをこの場を借りてお詫びします。m(_ _)m

image左:イベントMCを務める日本地図センター 小林政能さん
右:マップコンシェルジュ(株)/オープンストリートマップ・ファンデーション・ジャパン 古橋大地さん

image左:絵地図師 高橋美江さん
右:(株)ファインドゲート 近藤幸一さん

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左:仙川地図研究所所長 小森葵さん
右:手書き地図推進委員会 赤津直紀 

 

▼吉田初三郎先生の作品を見ながら酒を飲む!

会場には日本地図センターの小林さんがお持ちいただいた吉田初三郎先生の鳥瞰図が展示されていて、イベントの休憩時間には吉田先生の鳥瞰図を見ながらお酒を飲めるというなんとも素晴らしいイベント!!翌日の健康診断さえなければ僕も飲んだのに・・・そういえば、八戸市にお邪魔した際にも吉田初三郎先生の作品が街中にありましたね。

(吉田初三郎は、大正〜昭和に活躍した鳥瞰図絵師)

〜会場に展示されていた初三郎作品〜

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関東大震災の様子を描いた鳥瞰図。吉田初三郎先生の鳥瞰図にはだいたい地図の中心に富士山が鎮座する。この地図制作にあたってのクライアントである朝日新聞社の社機(飛行機)をしれっと入れ込むあたりのセンスは見習うところが多い。

▼デジタルで醸す手書き地図の人肌感とは

image※撮影した写真が水彩画になるアプリ。デジタルから手書き風の肌感を出すヒントになるか。

image※手書きの味を3DCGで表現することにチャレンジしている仙川地図研究所

手書き地図委員会の中でも以前から話あっていた手書き地図の持つ「人肌感」をどうデジタルで醸すか?ということを議論していたが、第1部で古橋さんや小森さんからのお話の中からも、デジタルを使って演出する人肌感?という話に。古橋さんからは、そのヒントとして写真が水彩画に変身する「Waterlogue」というアプリなどがそのヒントになるのでは?というお話や、小森さんたちは、手描きができないので、CGなどを駆使して人肌感ある小物を3Dで作成し、地図作りに活用されているというお話がありました。なるほど、絵を描くのは苦手という人でもこういったデジタルの良さをうまく使うことで手書き地図を書き上げることができるというのは素晴らしいですよね。

▼手書き地図の魅力を織りなす「ハレ」と「ケ」

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絵地図師高橋美江さんとその絵地図をアプリ化した近藤さんのセッションから、絵地図を描く際に大切にされていることの1つとして、「ハレ」と「ケ」の世界観を心がけているというお話が。民族学者柳田國男によって見出された日本人の伝統的な世界観の「ハレ」と「ケ」。「ハレ」は、儀礼や祭などの非日常を、「ケ」は日常の生活を表しているものだが、高橋さんが描く手書き地図にはこの「ハレ」と「ケ」に留意して地図を描くそうだ。たしかに、僕たちが各地の手書き地図をもとに、街歩き、食べ歩き・・・じゃなかったフィールドワークを多数行ってきたが、ひょっとして、地元の人にとっての「ケ」を来街するよそ者の僕たちは「ハレ」に変換して楽しんでいるのではないかと思う。沼津市での実験調査で行った座談からも手書き地図は、「地元の人と繋がるパスポート」という話があったが、これも地元の人が描いた「ケ」を知ることで、その街やそこに住まう人との心理的な距離感がぎゅっと縮まることになるから手書き地図が「パスポート化」するというのもなんとなくすんなり繋がってくる。

 

▼時間軸を超えてもいいし、キャンパスもなんでもいい!


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※おひつをあけると地図がでてくる!かわいい!!

image※東京タワーを中央にした「チ〜ズケーキ」うまい!

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※村松さんの富士山鳥瞰図は実は時空を超えているのだ!

最後の座談会では、いろいろな手書き地図の話。高橋美江さんの過去の作品や、村松さんの富士山鳥瞰図のお話など。高橋美江さんの作品では、ごはんをキャンパスに海苔で表現したり、ケーキが地図になっていたり(チ〜ズケーキだそうだw)とキャンパスを自由にすることで地図の面白さを立体的に表現する事例などご紹介いただく。また、村松さんの描いた富士山の鳥瞰図を目を凝らしてみると、自衛隊の演習場付近に戦車が登場すると思うと、竹取物語発祥の地にかぐや姫が居たりと地図を中心としながらも時間軸を超えて表現する楽しさがあるのだと改めて感じた。

 

▼手書き地図はやっぱり楽しい!

情報を表現する手段としての手書き地図。その楽しさや地図を読み解く面白さを改めて認識したイベントでした。今後も手書き地図推進委員会としてさまざまな地図イベントに参加させていただき手書き地図業界(そんなのあるのか?)を盛り上げて行きますよ。
(文:赤津直紀 写真:大島だみあん)

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レポート:赤津直紀

投稿日:2014年09月02日

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